こんにちは!

カズ社会保険労務士事務所 代表の佐久間和象です。

先日、こちらの記事で、派遣労働者の同一労働同一賃金対応について、2つの対応方法があること、それらの基本的な考え方などを簡単にご紹介したところです。

今回は、上記の記事でご紹介した2つの対応方法のうちの1つである労使協定方式について、対応するうえで必ず理解しておきたいポイントをご紹介したいと思います。

※労使協定方式については、留意点が多数あり、また難解な点も少なくありません。今回ご紹介する点はその中のほんの一部、またその基本的な考え方であることをあらかじめご承知置きください。

労使協定方式における最重要ポイント「一般賃金」

労使協定方式を採用するにあたり重要なことの一つは、派遣労働者の賃金を国が示す基準と同等以上とすることです。

賃金以外の待遇も含めて、労使協定方式で対応を進めるにあたっての留意点は他にも多々ありますが、まずはこの点を正しく理解することが、対応を進めていくにあたり重要となります。

労使協定方式では、派遣元となる会社(以下、「派遣元」)が、派遣元の過半数労働組合又は過半数労働組合がない場合には過半数代表者との間で、法律で定められている事項を書面で協定することになります。

そのため労使協定を締結すること自体に目が向きがちですが、必要なことはあくまでも、派遣労働者の待遇を不合理なものとしないことであり、中でも賃金については、国が示す基準以上となるようにすることが重要です。

労使協定そのものも重要ですが、協定する中身が何よりも大切です。

繰り返しになりますが、労使協定方式において、派遣労働者の待遇のうち賃金については国が示す基準以上とすることが求められます。

そこで、この「国が示す基準」を理解する必要があります。

国が示す基準とは、正式には「同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額」と称されており、略して「一般賃金」と呼ばれています。

これは、地域、業務、能力・経験という要素を加味した賃金水準のことで、毎年職業安定局長から通知されることになっています。

派遣元は、派遣労働者の賃金について、通知された一般賃金よりも同等以上とすることが最低限求められます。(※一般賃金以上であれば全てOKということではなく、能力や成果、経験等の向上によって賃金が適切に改善されていくべきものであることにも留意が必要です。)

「一般賃金」の確認は適切に

一般賃金が具体的にどの程度の額になるかは、職業安定局長から通知された内容をもとに派遣元自らで派遣労働者の派遣先事業所の地域にかかる指数、業務内容ごとの賃金水準とそれに能力・経験ごとの調整指数をかけわせた値を踏まえ確認することになります。

実際に手を動かさければ理解し難い内容ではありますが、上記のように個々の派遣労働者の業務内容が具体的に何に該当するのか、能力・経験がどの程度の者であるかなどについて各要素を労使で協議しつつ、詳細に検討・判断して派遣労働者の一般賃金を確認する作業は容易なことではありません。

最初にご紹介した通り、一般賃金は派遣労働者の実際の賃金と比較するものであるため、事実と異なる方法によって恣意的に一般賃金を下げることは許されません

派遣労働者の実際の賃金額と適正に算出された一般賃金を比較して、前者が後者と同等以上になるよう、比較した結果によっては、賃金(テーブル)の是正・整備とそれに対応する諸規程の整備などが必要になる場合もあります

いずれにしても、労使協定方式における賃金の部分については一般賃金という概念が重要であり、それを正しく理解すること、正しい理解のうえで適正に一般賃金を算出・確認し派遣労働者の賃金がそれと同等以上となるよう措置することが重要です。

労使協定方式における考え方や進め方・手順を説明した具体的な資料は、厚労省からも様々公表されております。実際に対応を進めていくのは簡単なことではありませんが、適法に対応を進めていくためにも、着実に内容を理解したうえで、法律上求められる内容に漏れのないように対応を図って頂きたいと思います。