こんにちは!

カズ社会保険労務士事務所 代表の佐久間和象です。

コロナ禍で経済・雇用情勢の不安定さが長期化する中で、社内の人事労務対応もコロナに関する対応が大半を占めているという会社様もあるのではないでしょうか?

そんな中で一昨年より順次施行されている、いわゆる働き方改革関連法への対応が未だに進んでいない、道半ば、という声もちらほらと聞こえてきています。

この働き方改革関連法の中には、様々な雇用・労働に関する法律が含まれており、内容は多岐に渡りますが、その中でもいわゆる同一労働同一賃金は目玉として取り上げられているところです。

今回は同一労働同一賃金に関する概要・基本的な考え方に関する詳細なご案内は割愛し、派遣労働者の同一労働同一賃金への対応、その中でも労使協定方式についてご紹介します。

派遣労働者にも同一労働同一賃金への対応が必要?

同一労働同一賃金は、正社員と非正規社員との間の不合理な待遇差を解消すること、非正規社員の待遇を改善することを趣旨としています。

同じ職務内容であれば同じ待遇を、職務内容に違いがあるのであればその違いに応じた適切な待遇差とすることが求められます。

そして、上記の非正規社員と呼ばれるものの中に派遣労働者も含まれます。

つまり、会社側は正社員と派遣労働者との間にも給与を含めた様々な待遇について不合理な待遇差が生まれないよう対応をする必要があります。

派遣労働者の同一労働同一賃金への対応は、派遣元の会社(以下、派遣元)にその義務が課されていますので、まずここは確認して置く必要があります。

では、派遣労働者の同一労働同一賃金への対応として、派遣元はどのような対応を取る必要があるのでしょうか。

考えられる2つの対応方法。労使協定方式が圧倒的に多い?

法律上、下記2つのいずれかの方法で対応を取るべきこととされています。

①派遣先均等・均衡方式

②労使協定方式

それぞれをざっくりと説明すると、

①は、派遣先の正社員の待遇を基準として派遣労働者の適正な待遇を確保するもの

②は、派遣元の会社内で一定の要件を満たす労使協定を結ぶことによって、派遣労働者の適正な待遇を確保するもの

という内容になります。

①の派遣先均等・均衡方式は、派遣先の正社員の待遇を基準として比較・検討することになります。

派遣元・派遣先はそれぞれ別の会社ですので、派遣元としては、別会社の労働者の待遇を詳細に把握する必要があり、派遣先としては別会社に賃金などの待遇情報を明らかにしなければいけない、ということになります。

また、派遣労働者の派遣先が変わるたびに待遇を変更する必要が出てくる可能性もあります。

これは派遣元・派遣先、いずれの会社にとってもいろいろな意味でハードルが高く、実際に運用することが難しいことが想定されます。

②の労使協定方式は、派遣元の会社内で労使協定を結ぶことで対応が可能となります。一定の要件を満たす必要がありますが、派遣先均等・均衡方式と労使協定方式を比較すると、労使協定方式のほうが相対的に対応しやすいと言えるでしょう。

(※なお、②の労使協定方式を取った場合でも、一部の待遇(教育訓練や食堂・休憩室・更衣室)については、派遣先の正社員との待遇を基準として派遣労働者の適正な待遇を確保する必要があります。)

そのため、法律の施行(2020.4.1)前から多くの派遣元が②の労使協定方式によって派遣労働者の同一労働同一賃金に対応するだろうと考えられていました。そして実際もその通りの状況になりました。

昨年から現在まで私が対応した会社様はすべて労使協定方式で対応されていましたので、私自身も労使協定方式を選択される会社様が圧倒的に多いという感覚を持っています。

今回は、有期契約労働者やパート・アルバイト労働者のみならず派遣労働者に対しても同一労働同一賃金への対応が求められること、対応方法として2つの方式があること、そして一般的には労使協定方式が採用されやすいことなどをご紹介しました。

次回は、後半でご紹介した労使協定方式について、もう少し突っ込んで具体的にどのような考え方のものなのか、どのような対応をすることになるのかをポイントを絞ってご紹介したいと思います。