こんにちは!

カズ社会保険労務士事務所 代表の佐久間和象です。

社内の施策・取組みが機能しない

頻発する法改正や人事労務関連の社会的な要請への対応として、各会社様では人事労務上の様々なテーマや課題に対する施策・取組みを日々進められているところと思います。

一方で、施策・取組みの形は十分に整備されているのに全く活用・運用されていない、トップメッセージは発信したけれど現場に浸透していない、など、人事労務施策が計画通りに動いていないケースも時にはあるのではないでしょうか?

当事務所でもこうしたご相談を頂くことは少なくありません。

法律的・社会的な要請に対応するために必要となる人事労務施策は数え切れないほどあります。

年次有給休暇の取得促進、労働時間管理・把握の徹底、育児休業取得の促進、テレワークの推進、各種ハラスメントに関する意識の醸成、、、

整備した施策・取組みがいいものであっても、実運用するにあたって必要なポイントが押さえられていないと、その施策・取組みは十分に機能しないどころか、場合によっては無いほうがよかったと批判の的になってしまうこともあります。

会社の求心力や社員との信頼関係の低下に繋がることもあり、経営層・人事担当部門としてはこうした状況になることは回避したいところです。

効果的な運用のために必要なポイント

では、人事労務に関する施策・取組みを実効性あるものにするために必要なポイントは何でしょうか?

幾つか挙げられると思いますが、中でも重要なポイントは、

管理職の振る舞いを変容させること

です。

ここでいう管理職とは、現場の各部門・部署のトップのことです。

多くの社員は経営層や人事部ではなく、自分の一番近くにいる上司の振る舞いを常に見ています。そしてその真似をします。その枠から外れないように行動します

例えば、ある人事労務に関する施策・取組みに対して、管理職が全く理解を示さず、自ら活用をしない、部下にも認めないという振る舞いをすれば、当然その下にいる部下はその振る舞いに従った行動をするでしょう。

管理職の振る舞いが変容するということは、その部下の振る舞いを変容させることに繋がります。

管理職の振る舞いを変容させることは、施策・取組みを実効的に運用していくための起点となるのです。

言い換えると、管理職の振る舞いを変容させることができれば、9割型その施策・取組みはうまくいくと言っても過言ではありません。

管理職への中身のある周知・啓発!

では、そのためにはどうしたらよいか。

通常、社内施策はそのスタートまでに、大まかに下記のような流れで進められると思います。

①人事労務部門での施策検討・社内での意識調査等

②経営層の承認

③人事労務部門での施策策定

④経営層から社内へのトップメッセージ

⑤社内全体への周知・啓発

⑥施策スタート

管理職の振る舞いを変容させるためには、上記のうち特に⑤「社内全体への周知・啓発」の過程で工夫を凝らす必要があります。

社内への周知・啓発というと、社内のイントラネットで情報を流したり、掲示をしたり、場合によっては研修をしたりすることもあるかと思います。

この時に、社員に一斉に画一的な情報を流すことに終始していませんか?

それが全て悪いということではありませんが、このタイミングで管理職が施策・取組みに納得し、実際の行動が変わる仕掛けをしなければ、周知した内容は右から左へと流れていってしまうでしょう。

必要な仕掛けの具体的な内容は、会社様によって、また各部門・管理職によって様々でしょう。

一つ言えるのは、とても泥臭く、骨の折れる作業だということです。

管理職の方々は各現場でその部門・部署の舵取りをするリーダーでもあります。そもそも時間も限られる中で、またそれぞれに強い思いや考えがある中で、人事労務に関する施策・取組みに納得してもらうことは容易なことではありません

その施策・取組みの詳しい内容のみならず、それが必要な背景・経緯、キッカケとなった社内の事情、法的なリスクやそれが現実化した場合の会社・管理職自身への具体的な影響。施策が回ることでどのような未来が実現するか。など。

こうした内容を具体的に丁寧に、繰り返し伝えること、そして場合によっては一人一人に伝えることが必要です。

これは施策がスタートしてからも同じです。繰り返し繰り返し、とにかく継続して管理職を刺激していくことが必要です。

ここをスルーしてしまうと、せっかく時間をかけて準備した施策・取組みが有名無実化してしまいます。

上記で触れた通り、これはとても大変な作業ではありますが、人事担当部門としてここで汗をかけるかどうかで、施策・取組みが実効的に運用されるか否かが決まるとも言えます。そして、何よりも人事担当部門のその汗を社員は見ています。

数多くの法改正が発生し、また社会的に様々な人事労務課題がテーマに取り挙げられる中で、情報をキャッチし対応していくことのみでも大変な状況ではあります。

こうした状況の中で、流れ作業のように施策・取組みが社内に導入され、気付けば形骸化しているということは珍しいことではないでしょう。しかし、こうした流れが定着してしまえば、一つの施策・取組みの目的が達成できないことのみならず、会社への求心力や信頼感にも影響してくるでしょう。

社内の施策・取組みがうまく回らないと感じておられる経営者・人事労務担当者の方は是非、今回ご紹介したポイントも参考にして頂き、改善のヒントを見出して頂けたらと思います。